猟奇的日常~妖美(よみ)

音楽=人生そのもの!他にオーディオ、映画、読書、食べ歩きを趣味としています。よく出没しているのは「銀座&日本橋」を中心に、上野、浅草、池袋、千葉‥‥といった所。

魔性の女に出会いたい!

確か1983年の夏だったと思うんですけどね。
TVにて山口果林が主演の『爛熟時代』っていう連続昼ドラをやっていたんです。
山口果林は人妻役なんですが、旦那さんは結構エリート社員なのかな?
で、代官山の高級マンションに住んでおり、娘が一人いる。
全部の回を見ていたわけではないのではっきりとは覚えていないんですが、確かそんな設定でした。

エリート社員の旦那さんは会社にて新たなプロジェクトに取り組んでいるため、帰りは当然遅くなりますし、ヘロヘロ状態での帰宅。
奥さんの山口果林が「ね〜え〜」とゴロニャンと甘えても、疲れててさっさと一人で寝てしまうわけですよ。

話は逸れますが、このシーンが当時の自分には解せなかった!
35年前くらい前の山口果林ですぞ!
「ね〜え〜」なんて迫られて、なぜほったらかしに出来るのだ!この男は馬鹿か?‥‥なんて当時の妖美(よみ)は不思議でならなかった。
う〜ん、若かったな〜、自分‥‥。
当時の若き自分は「どんなに美味しい料理でも毎日食べていたら飽きる」という人生の至極単純な真理に気づいていなかったようだ。

いや、それはどうでも良い。

で、この後の展開は簡単に予想がつきますよね?
旦那から相手にされない熟女人妻‥‥とくれば、これはもう「不倫」ってやつです(笑)。

1983年といえば携帯も出会い系サイトも無かったわけで、出会うのは相当難しかったと思うのですが、果林奥様は年下のバリバリの若い男性と恋に落ちるわけですよ。
どんな顛末で知り合ったのか?‥‥は書いてると長くなるので省略。

ベッドシーンも出てくるぞ!(笑)

で、その後どうなったのか?‥‥は、自分もこのドラマを最後まで見ていたわけではないので不明。

さて、ここからが本題なんですが‥‥。

まあ、正直なところ、ドラマそのものは実にたわいもないお話。
自分としては山口果林が見たくて、このドラマを見ていたようなもんだし‥‥。

ただ、このドラマを見たことで未だに忘れられないというか、その後とても影響を受けたことが二つ。

山口果林夫婦が住んでいるマンションは代官山にあるという設定なので、山口果林が代官山の駅から徒歩でマンションに帰ったりするシーンが何度か出てくるんですが、「おお〜、代官山って随分とお洒落でかっこいい街なんだな〜」というのが一つ。
それまで自分は代官山なんて行ったことありませんでしたので。

そして、もう一つ。
むしろこちらが重要。
このドラマの主題歌には『サティ/ジムノペディ/第1番』が使われていたんです。
それも原曲のピアノ・ヴァージョンではなく、ドビュッシーによる管弦楽用アレンジ・ヴァージョン。
これがこのドラマの内容に実に似合っていたのですね。
なんとなく気怠い雰囲気が漂い、なおかつギリシア美術を想起させるような静かで落ち着いた輝きを持ち、更に聴いててトロトロになってしまいそうな官能性。

それ以来、自分の心の中には「夏の昼下がりの不倫=ジムノペディ第1番(ドビュッシー編曲)」みたいなイメージが堅固に出来上がってしまったわけです。
今でも夏にこの曲の管弦楽アレンジ・ヴァージョンを聴いていると、もう身体がとろとろに溶けてしまいそうな気分になります。

というわけで、『サティ/ジムノペディ第1番(ドビュッシー編曲)』を聴きながら夏の恋へ!‥‥というのが本日の主張!
今の自分の願望はこれだっ!
今年の夏の目標はこれだっ!


蛇足ながらもう一つ。
江戸川乱歩の代表作に『陰獣』ってのがありますな。
有名な作品ではあるものの、実は自分的にはさほど好きな作品ではないのですが、ただ、あの作品に出てくる「小山田静子」って女性は、数々の乱歩作品に登場する女性の中で、自分としては最も魅力を感じる女性でもあります。

あの作品の「季節」って、いつに設定されてましたかね?
最近読み返してないから忘れてしまったんですが、何となく夏だったような気がするんだよな‥‥。
いや、あの作品が以前映像化された時、それが夏の出来事として描かれていたから、自分の中ではそういうイメージになっているのかもしれません。
主人公は上野の博物館で小山田夫人の静子さんと出会い、次第に彼女の魅力の虜となっていくわけですが、実はこの静子さん、怪しい性癖を持った魔性の女である事が最後にわかります。

自分としては当時の山口果林も何となく魔性の女タイプなんですよ。
あの目で見つめられて迫られたら、う〜ん‥‥(笑)。
あの安部公房までもがメロメロになってしまった山口果林ですからねぇ。

というわけで今年の夏は、そうした魔性の女と出会いたいもの。
そして一緒に『サティ/ジムノペディ第1番(ドビュッシー編曲)』でも聴きながら〇〇〇でもしたいもんです。

 

ちなみに〇〇〇には「肝試し」という言葉が入ります‥‥というのは嘘ですが(笑)。

 

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